社会適応障害は早期発見が要|スルーアウェイストレス

ストレス因子に反応

カウンセリング

精神疾患のなかでも不安障害のひとつである社会適応障害は、その患者にとって辛い経験がキーとなって発症する疾患です。
辛い経験というのは患者によってさまざまで、会社の上司と性格が合わなくて会社で顔を合わせるのが辛いといった個人的な経験があれば、災害に遭って死ぬ思いをしたという地域的な経験がキーとなる場合もあります。いずれにせよ、このような明確なストレス因子が存在することが社会適応障害の最大の特徴です。

社会適応障害を発症すると、例えばストレス因子が会社の上司であれば、会社へ行くのがとても辛く感じるようになります。具体的な症状としては、平日の朝に会社へ行く時間になると強い不安に襲われ、憂うつな気分や絶望感、イライラなどの精神的な症状が現れるようになります。また、こういった精神的な症状に付随して、頭痛や動悸、異常な発汗などの身体的な症状も現れることがあります。こういった症状が現れてくると正常な思考能力を奪われてしまうので、社会適応障害の患者は行動面にも異常なところが現れてきます。例えば、会社を無断欠勤したり、強いストレスを紛らわそうとしてお酒を大量に飲んだり、といったものが挙げられます。人によっては暴力や喧嘩、無謀運転や飲酒運転など、攻撃的かつ社会的にも問題が発生してしまうような行動に出ることもあります。

社会適応障害の特徴として挙げられるのが、こういった症状は基本的にストレス因子を発端に現れてくるという点です。つまり、ストレス因子から離れると症状が緩和されてくることがあります。例えば、上司と会うのが辛くて出勤中は仕事が手につかなかったり休みがちになってしまったりしても、休日になれば不安がいくらか解消され、外出もできるし趣味に没頭することもできるようになる人が多くいます。

この点、うつ病とは区別されます。精神疾患のなかでも気分障害のひとつであるうつ病でも、社会適応障害と同じように不安感やイライラ、憂うつな気分などの症状が現れますが、こういった症状が常につきまとってきます。うつ病の場合も、場合によっては社会適応障害のようにストレス因子があることもありますが、多くの場合は多角的な要因によって発症しており、原因が特定できてもそれを避ければ症状が緩和されるということはありません。うつ病になると基本的には自宅で療養することになりますが、自宅で休んでいれば回復する社会適応障害と違い、うつ病の場合はしっかりした投薬治療などが必要となります。
社会適応障害は、世界保健機関の診断ガイドラインによれば半年以上症状が連続することはないとされていますが、半年以上経っても症状が収まらないこともあり、その場合はうつ病を発症している可能性があります。統計上は、社会適応障害だと診断されてから五年の間に40パーセントの患者がうつ病だと診断し直されているようです。
このように、社会適応障害はうつ病などその他の病気へ進んでしまう可能性もあるので、発覚したらすぐにでも治療へとつなげることが大切です。